この建物は瀬戸内海の島の一つである宮島の門前町にあった町屋です。建てられたのは18世紀末ごろで、二階の出窓の出格子やその下の板庇(ひさし)にその時代の特徴が見られ、屋根は勾配が緩く軒の出が深くなっています。
 また、土地の狭い宮島では側壁を背中合わせに作るため、妻側の屋根の突き出しがほとんどありません。奥の座敷は明治初年に建てられた別の建物を古い建物の中にはめ込んでおり、材料を運ぶのも大変だった島の事情をよく示しています。
 館内には初期伊万里から初期色絵(古九谷様式)・柿右衛門様式、鍋島様式等の名品が揃い、古伊万里の世界を一望することができます。





展示案内

The Journey of IMARI~旅する伊万里~

 2022年9月7日(水)~ 11月28日(月)

チラシ(おもてうら

 江戸時代、伊万里焼はヨーロッパの宮殿を飾る調度品として輸出されていました。中でも柿右衛門様式や同時期の染付磁器、その後の金襴手を含む元禄様式の伊万里焼は大きな人気を博し、多くの磁器が船に積まれて伊万里港から旅立ちました。一部の西欧王侯貴族は、それらを「磁器の間」などと称した陳列室を設けて一堂に並べ、宮殿を飾りました。そのいくつかは現代にも大切に伝わり、かつての東西交流の証となっています。また、西欧の生活に合わせて生産された磁器や、現地へ渡ってから金属装飾が施された磁器なども多く残っています。
 本展では所蔵の伊万里焼の中から、日本から海外に旅して現存するものや、西欧宮殿に残された作品と類似する品々をご紹介します。日本から旅立ち、遠い異国の地で王侯貴族を魅了した伊万里焼の名品たちをこの機会にお楽しみください。




「色絵花卉文六角壺」1670-90年代(柿右衛門様式)


「色絵楼閣牡丹文蓋付大壺」1700-40年代(元禄様式)