この建物は瀬戸内海の島の一つである宮島の門前町にあった町屋です。建てられたのは18世紀末ごろで、二階の出窓の出格子やその下の板庇(ひさし)にその時代の特徴が見られ、屋根は勾配が緩く軒の出が深くなっています。
 また、土地の狭い宮島では側壁を背中合わせに作るため、妻側の屋根の突き出しがほとんどありません。奥の座敷は明治初年に建てられた別の建物を古い建物の中にはめ込んでおり、材料を運ぶのも大変だった島の事情をよく示しています。
 館内には初期伊万里から初期色絵(古九谷様式)・柿右衛門様式、鍋島様式等の名品が揃い、古伊万里の世界を一望することができます。

展示案内


「色絵壺持ち婦人像」(柿右衛門様式)

《技を伝える―陶芸の人間国宝たち》
同時開催《古伊万里名品展》

平成29年11月22日(水)~平成30年1月29日(月)

 1950年に文化財保護法が制定され、無形文化財という概念が誕生しました。これは形の無い文化財、つまり伝統的技術を保護、保存していこうとするものです。この「伝統」という概念は大正時代以降に、過去の継承や、昔の物の再現という「伝承」概念に「歴史性、創造性」が加わってできたものであり、昔ながらの素材や技術を用いながらも、作り手が工夫し、新しいものを生み出すことを意味します。1955年に文化財保護法が改定され、伝統工芸技術の保護、保存を目的に重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定制度が発足します。  本展では当館所蔵の作品の中から重要無形文化財保持者に認定された作家たちの作品を一堂に介し、過去からの技を継承し、自己の表現へと昇華した作品を紹介します。あわせて、当館所蔵の古伊万里の名品も紹介します。



「広口花器」(金重陶陽) 「備前壺花瓶」(金重陶陽)