蘭島閣美術館は、荘厳な佇まいの本格的木造建築の美術館です。日本の近代絵画を代表する作品や、郷土ゆかりの作家の作品などを展示しています。日本画、油彩画、版画、素描などを含めた約2,200点のコレクションの中から会期ごとに企画展示しています。
本展は、鳥や動物、虫などのいきものに着目した展覧会です。いきものそのものの姿を描いたもの、自然の中で生きている様子を描いたものを中心に、多様な表現の作品を紹介します。画家たちは、自宅で飼育したり、動物園や植物園に通ってその生態をくわしく観察するなどして、いきものの姿を捉えてきました。日本画家の山口華楊は、動物園でスケッチした後、粘土で動物の模型を作り、あらゆる角度から動物の姿を捉えようとしました。堅山南風は、克明な観察で鳥や草花、魚、虫など膨大な数のスケッチを描き、いきもののみずみずしい生命感を描き写しました。髙山辰雄は、人やいきものの姿を借りて、悠久な時間や精神世界を表現しようとしました。こうした、画家のいきものへの真摯なまなざしが、多くの作品を生み出していきました。ぜひ画家たちが描いたいきものの作品を見比べてお楽しみください。
また特集展示として、戦時下の少女の労働の様子を描いた東山魁夷や、銃後を守る女性の姿を描いた向井久万の作品など、戦中の人々をテーマとした作品を紹介します。
橋本関雪 「ふくろう」 昭和10(1935)年 絹本彩色
蘭島閣美術館
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