蘭島閣美術館らんとうかくびじゅつかん

  蘭島閣美術館は、荘厳な佇まいの本格的木造建築の美術館です。日本の近代絵画を代表する作品や、郷土ゆかりの作家の作品などを展示しています。日本画、油彩画、版画、素描などを含めた約2,200点のコレクションの中から会期ごとに企画展示しています。

展示案内

「洋画をたのしむ」


 2024年10月30日(水)~12月23日(月)

  このたびはコレクションの中から、洋画に焦点をあて作品を幅広くご紹介する展覧会を開催します。
 「洋画」とは油彩画を中心とした西洋伝来の絵画とされ、日本では明治以降に普及しました。洋画には遠近法や陰影を用いた立体感のある描写などが見られ、印象派や抽象画、リアリズムなど新鮮な様式として日本に受け入れられ、さまざまな実験や模索が繰り返されながら日本の伝統的な美意識ととけ合い、成長を遂げてきました。
 本展では黒田清輝や岡田三郎助など日本近代洋画の巨匠たちの作品や、1912年に発足した光風会を舞台に活躍した作家たち、光風会広島支部設立に尽力した作家たちの作品などを幅広くご紹介します。また今年没後50年を迎えた洋画家、香月泰男の1950年代から1970年代制作の油彩画や水彩、素描作品11点を展示します。ぜひこの機会に画家たちの豊かな色彩や質感の表現をご覧いただき、より深く作品をお楽しみいただけましたら幸いです。






特集展示①
 香月泰男は山口県三隅村に生まれ、少年時代から画家を志し、東京美術学校(現 東京藝術大学)を卒業後、美術教師を務めながら、国画会展や文部省美術展に出品を重ねました。頭角をあらわした頃の1943年に召集され、旧満州国ハイラル市に駐屯。1945年8月の敗戦でシベリアの収容所へ送られ1947年5月に帰国するまで飢餓と強制労働、酷寒の生活に苦しみました。帰国後は郷里に居を定め、戦争体験をもとにした「シベリア・シリーズ」の制作に打ち込みながら、ふるさとの自然や風景、家族、動植物を描いています。特集展示では、当館のコレクションである香月泰男の作品を全て展示し、香月独自の方解末と木炭粉によるマチエールと、黒と黄土色に限定されたモノクロームの絵画世界をお楽しみいただきます。

特集展示②
 当館には、現代写実絵画の画壇を代表する洋画家、野田弘志の代表的な作品である「TOKIJIKU(非時)」シリーズを含む充実した作品群を収蔵しており、コレクションの重要な一角を形成しています。彼は当館の立地する下蒲刈町にもよく訪れ、安芸灘の美しい風景を描きました。展示ではこうした野田の描いた風景画と生と死を描いた「TOKIJIKU(非時)」シリーズをご紹介します。







黒田清輝 「伊豆大島遠望」 1914年


中沢弘光 「海岸風景」


南薫造 「庭の一隅」 1922年





香月泰男 「青野山」 1972年


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▽日時▽
11/2(土)、3(日)、12/7(土)、8(日)
10時~15時(制作時間30分程度)

▽場所▽
当館1階ホール

▽定員▽
各回4名(要入館料、参加費無料、事前予約不要)

▽対  象▽
5歳以上(小学生以下は保護者同伴)




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