蘭島閣美術館は、荘厳な佇まいの本格的木造建築の美術館です。日本の近代絵画を代表する作品や、郷土ゆかりの作家の作品などを展示しています。日本画、油彩画、版画、素描などを含めた約2,200点のコレクションの中から会期ごとに企画展示しています。
村上海賊は、14世紀中ごろから瀬戸内海で活躍した一族です。後世には三島村上氏などと呼ばれ、能島、来島、因島に本拠においた三家からなり、連携と離反を繰り返しつつも互いに強い同族意識をもっていました。彼らは海の難所である芸予諸島で育まれた海上機動力を背景に、戦国時代になると瀬戸内海の海域を支配し、国内の軍事・政治や海運の動向をも左右しました。本展ではこうした村上海賊の中でも伊予大島と伯方島の間の狭い水路上に浮かぶ能島(愛媛県今治市)を本拠とした能島村上氏と蒲刈島とのつながりに迫ります。
中世から近世にかけて海との関わり続けた村上氏と、当館がある呉市下蒲刈島とは、戦国時代に能島村上氏の村上景親が蒲刈島を与えられたという記録をはじめ、「武家万代記」には天文20(1551)年、上関で関所破りをした陶氏の船を能島村上氏が蒲刈島で報復した事件にも登場しています。その後江戸時代になると、能島村上氏は萩藩の御船手組として三田尻を拠点に活動をはじめました。村上景親の息子である村上元信は「御船手組頭」となり、参勤交代の送迎や漂流船への対応、朝鮮通信使の警固など、海に関するさまざまな仕事を担当しました。
本展では今治市村上海賊ミュージアムの所蔵品から、このような貴重な資料や能島村上家伝来の陣羽織や武具の数々、海を知り尽くした人々の生活が分かる資料を間近に鑑賞いただき、海賊とは何だったのか改めて考える機会となれば幸いです。
あわせて2014年本屋大賞を受賞した和田竜氏の小説「村上海賊の娘」に関わる資料、および同作を原作に吉田史朗氏がコミカライズを手掛けた漫画版「村上海賊の娘」作品原画もともにご紹介します。ぜひ日本遺産として認定された村上海賊の奥深い世界を堪能ください。
猩々陣羽織 (個人蔵・今治市村上海賊ミュージアム保管)
今治市村上海賊ミュージアム学芸員による展示解説
▽開催日時▽ 9/2(土) 10時20分頃~11時
▽講 師▽ 松花菜摘氏(今治市村上海賊ミュージアム学芸員)
▽会 場▽ 当館展示室内
▽参 加 費▽ 無料(入館料が必要) ※10時からの開会式典から参加の場合は入館料が無料でご参加いただけます。
ダンボールにいろいろな素材を付けてオリジナルのフォトフレームをつくりませんか。
▽開催日時▽ 9/9(土)、10(日) 【午前の部】10時~12時 【午後の部】13時~15時
▽対 象▽ どなたでも(小学生以下は保護者同伴でお願いします。)
▽会 場▽ 当館1階ホール
▽参 加 費▽ 無料(入館料が必要) ※作業時間は20~30分程度です。
村上海賊の陣羽織をイメージして制作された衣装を着て親子で記念撮影ができます。
▽開催日時▽ 9/23(土・祝)、24(日)、10/7(土)、8(日)、9(月・祝) 【受付時間】9時~16時30分
▽会 場▽ 当館1階ホール
▽参 加 費▽ 無料(入館料が必要)
安芸国蒲刈島を拠点に水軍活動をおこなった海の領主多賀谷氏や、日本最大の海賊と呼ばれた村上海賊。 中世の瀬戸内海で活躍した人々の姿に迫ります。
▽開催日時▽ 9/30(土) 13時30分~15時
▽講 師▽ 山内譲氏(元松山大学教授)
▽定 員▽ 30名
▽会 場▽ 当館1階ホール
▽参 加 費▽ 無料(入館料が必要)
▽参加申込方法▽ 参加ご希望の方は、氏名(ふりがな)、年齢、郵便番号、住所、電話番号(昼間に 連絡がとれる番号)をご記入の上メール、またはFAX、はがきでお申し込みください。 メール :shunran@shimokamagari.jp FAX :0823-70-8022 はがき :〒737-0301 広島県呉市下蒲刈町三之瀬200-1 蘭島閣美術館 講演会係 申込締切日:9月25日(月)必着
蘭島閣美術館
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