蘭島閣美術館 別館らんとうかくびじゅつかん べっかん

 蘭島閣美術館別館では、洋画家・寺内萬治郎の作品を常設展示しています。裸婦像をはじめとする絵画作品のほか、画家の愛用していた絵筆やパレットなどの貴重な品々も展示しています。
 丘の上からは、対岸へ続く蒲刈大橋と瀬戸の風景を眺めることができます。

  

展示案内

企画展「Technoscape in Kure 鉄の記憶 製鉄所のある風景
    -ありがとう日本製鉄株式会社瀬戸内製鉄所呉地区-」

2024年1月17日(水)~3月25日(月)

 チラシ(おもてうら

 1951(昭和26)年以降、呉の製鉄所は半世紀以上にわたり呉の基幹産業としてまちを支えてきました。2023(令和5)年9月に全設備が休止となり、呉の風景が変わろうとしています。まちのシンボルともなった高炉や工場群など、呉の産業景観を描いた画家・大形久典(呉市在住)の絵画作品を中心に展示します。鉄鋼産業の発展と共に歩んだ呉の歴史を絵画と共に振り返ります。


■呉の製鉄所について
 1950(昭和25)年から工場建設に着手し、翌1951(昭和26)年に日亜製鋼呉工場が操業開始した。のち1959(昭和34)年に日本鉄板と合併し日新製鋼となる。高炉建設を進め、生産設備能力の向上に努め、銑鋼一貫メーカーとして発展する。2020(令和2)年に日本製鉄と合併し、2023(令和5)年9月に全設備を休止した。

■出品作家略歴
大形久典 おおがた・ひさのり  1944(昭和19)年、広島県呉市(倉橋町)に生まれる。高校卒業後一旦就職するが進学を志し、1969(昭和44)年に広島商科大学(現・広島修道大学)を卒業。卒業後、呉市内の中学校、高校で英語教諭として教職に就く。1978(昭和53)年、広島修道大学大学院修了。2002(平成14)年、広島大学大学院修了。退職後、非常勤講師として専門学校や大学で英語を教える。現在、呉市在住。
 英語教諭として働く傍ら、油彩画技法を洋画家・砂原久氏に学ぶ。のちに彫刻に興味を持ち彫刻家・吉田正浪氏に師事する。また、アクリル画 の技法を洋画家・益村司氏に学ぶ。60代に入り本格的に、広島県内の各種公募展、国内展へ出品し、彫刻や絵画部門で入賞を重ねる。近年は、 呉市内の貴重な旧別荘を活用して運営されている翠雲現代美術館に彫刻作品を出品している。現在、呉美術協会会員。新構造会員*2020(令和2)年まで。
 彫刻はテラコッタ(素焼き)の技法で人物像などの具象彫刻を手がける。絵画は風景を主体としながら個性ある色彩構成で対象を描きだす。人間の様々な営みを内包する都市景観を、独自の視点で描き出す点に特長がある。


■作品解説
作品「日新製鋼所No.2」 2021(令和3)年制作、板・アクリル162.0×162.0cm

 「日新製鋼所No.2」は2021年に描かれた。この年の9月に日本製鉄株式会社瀬戸内製鉄所呉地区は鉄を生産するための第1高炉を休止した。(第2高炉はすでに休止)これにより、1962年以来続いた高炉の火がすべて消えた。
 呉在住の画家、彫刻家の大形久典はこの時、呉の製鉄所の休止方針をニュースで知り絵筆を取った。呉に生まれ、長年親しんだ呉の風景の変化を予想したからである。以降、2023年の全設備休止までの間に、製鉄所を中心とした呉の産業景観を描くことに専念した。
 空に伸びる煙突とそこからもくもくと上がる煙、赤茶けた工場群は呉のシンボルとして半世紀、人々と共にあった。この風景の中に多くの人々の生活があった。敷地面積143万平方メートル、その巨大な産業空間と、家々がぎっしりと山手に並ぶ光景を162×162センチの画面に描き込めた。まるで命の宿るもののようにあちこちから白い煙を吐き出す製鉄所の光景。鉄と共に歩んだ呉の躍動感あふれる歴史がしっかりと刻まれている。


■プレスリリース






蘇った大和



呉湾の夜明け



日新製鋼所No.3


































日新製鋼所No.2



関連イベント

●「島の美術館ピアノ」


 海が見える高台の小さな美術館で、スタインウェイのグランドピアノを自由に弾いてみませんか。


日   時: 毎週土曜日・日曜日 午前9時~午後4時
参 加 費: 無料(別途入館料が必要)
利 用 時 間: 1人1時間程度
※事前予約したい方は電話でお申し込み下さい。それ以外は自由にご利用できます。
そ の 他: ・美術館の鑑賞を優先しますので、鑑賞者がいる場合、演奏を一時的にご遠慮いただく
 等のご協力をお願いする場合がございます。あらかじめご了承ください。
・ご予約・お問合せは、蘭島閣美術館別館(TEL:0823-65-2500)まで
 ご連絡ください。※受付時間は午前9時~午後4時30分まで










蘭島閣美術館別館は小高い丘の上に位置し、対岸へ続く蒲刈大橋と瀬戸の風景を眺めることができます。





作品の掲載には著作権保持者の承諾が必要です。掲載されている画像を無断で使用することはできません。