蘭島閣美術館別館では、洋画家・寺内萬治郎の作品を常設展示しています。裸婦像をはじめとする絵画作品のほか、画家の愛用していた絵筆やパレットなどの貴重な品々も展示しています。
丘の上からは、対岸へ続く蒲刈大橋と瀬戸の風景を眺めることができます。
画業の初期からほぼ一貫して風景に取り組んだ洋画家・森清治郎(1921-2004)は、日本各地を訪れ、失われゆく古い民家や街並みを優れた油彩表現によって絵に残しました。丹念に描き込まれた石垣や外壁、土埃や湿り気を感じさせる田畑や土の道、周りの情景が写り込んだ水面。こうした細部の再現を中心に、その卓抜した描写力は多くの支持を得ています。本展では当館ゆかりの地・下蒲刈をはじめ、日本やヨーロッパ各地の景色を題材にした森の風景画を紹介します。
森は東京美術学校(現東京藝術大学)で寺内萬治郎(1890-1964)に師事し、裸婦画に力を注いでいた師に倣い裸婦を描くこともありました。しかしながら、自らの風景画を後押しする寺内の言葉に自信を深め、風景に本格的に向き合っていったといいます。本展では森が生涯の師とした寺内の風景画もあわせて展示します。
季節ごとに異なる光や空気さえも感じられる森の風景画を眺めていると、画家が慈しんだ情景を追体験できるかのようです。時には作品が見る人の懐かしい記憶を呼び起こすこともあるでしょう。絵画に刻まれた風景を味わいながら、風景に結びつく記憶へと思いを馳せてみませんか。


蘭島閣美術館 別館
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