独立美術協会は、1930(昭和5)年に里見勝蔵、児島善三郎、林武らによって結成された美術団体です。同会は、既成の美術団体から独立し新時代の美術を確立することを目標に掲げ、1931(昭和6)年の第1回展から現在まで、精力的に活動を続けています。
独立美術協会の中心人物として活躍した須田国太郎は、美術史家の視点から絵を学びはじめました。1919(大正8)年からは、ベネチア派を中心に西洋絵画の研究のため、スペインを拠点に4年間ヨーロッパを遊学します。その後、絵の制作に励み続ける傍ら、美術史の講師も務めていた須田に転機が訪れたのは41歳の時でした。東京の資生堂画廊にて、初個展を開催することになったのです。そこに、滞欧中に知り合った里見勝蔵が訪れたことでその画才を見いだされ、里見の推薦によって1934(昭和9)年から独立美術協会の会員に迎えられます。以降、須田は同会に出品を続けるとともに、独立美術協会京都研究所で学術面や実技の指導に当たるなど、会に大きく貢献しました。
本展では須田国太郎をはじめ、独立美術協会設立メンバーのほか、須田と同時期に会員となり交流の深かった小林和作や、同会で活躍した靉光など広島ゆかりの画家たちの作品を紹介します。また、京都研究所で須田に学んだ芝田米三など、後進の画家たちの作品も展示します。優れた画家を輩出し続ける独立美術協会。その歴史の一片に影響を与えた須田国太郎と、その周辺の画家たちの作品をお楽しみください。
須田国太郎「静物(蔬菜)」1940年
里見勝蔵「裸婦」1934年
芝田米三「今もスペインの空の下で」1993年
三之瀬御本陣芸術文化館(須田国太郎常設展示館)
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