秋の茶会では,日本の伝統文化の一つであり様々な日本の美が集約された茶道によって,松濤園にお越しの皆様をおもてなしいたします。紅葉で染まる瀬戸内の島々を眺めながら,広島ゆかりの上田宗箇流によるお茶を堪能して頂き,郷土の誇るべき景観と伝統文化を体感する機会となればと考えています。
下蒲刈町は,江戸時代に朝鮮通信使が11回寄港したという歴史ある町です。外交を制限していた当時の日本において最上級の賓客である通信使一行に対して盛大なもてなしを行い,案内人である対馬藩主宗氏に「安芸蒲刈御馳走一番」と称賛された記録があります。松濤園ではこの歴史の紹介を中心とした展示を行っており,本事業ではこの「おもてなしの心」を現代に受け継ぎ,多くの皆様が松濤園のある下蒲刈町を訪れる機会となればと幸いです。