江戸時代、朝鮮通信使の来日に際し、下蒲刈島が藩の接待所・玄関口として大歓迎をした記録が多く残されています。なかでも「安芸蒲刈御馳走一番」といわれたほどの歓待ぶりで、往時の記録をもとに全国から集めた食材を使っての豪華な膳を忠実に復元した展示は圧巻です。
 この資料館は明治中頃に建てられた富山県砺波地方の代表的な商家造りである「有川邸」を移築したもので、石置き屋根に豪壮な井桁組みを持つ重厚な建物です。
 このほか本陣とその付近を復元し、通信使の行列人形を配したジオラマ模型や、当時の通信使を再現した等身大の人形、さらに精密に再現された 1/ 10の朝鮮通信使船の模型や全国から集めた朝鮮通信使に関連した「土人形」「張子人形」、通信使行列図や船団図など、往時をしのぶ資料を多数展示し、興味深く見学することができます。





展示案内

「朝鮮通信使と江戸の食」

 2025年11月26日(水)~2026年1月26日(月)

 チラシ(おもてうら

 朝鮮通信使は江戸までの道中に日本各地で、接待を担当する藩を挙げての饗応を受けました。饗応料理としての七五三膳や実際に食べていた三汁十五菜膳などが提供されました。朝鮮通信使の来日は、日本各地の調理技術の水準を地方都市と都市部との間で均質化することにも影響を与えました。また、江戸時代を通して平和な時代が続いたことにより醤油を始めとする調味料が流通するようになり、江戸を彩る食文化を形成します。
 本展では朝鮮通信使と江戸時代の食に焦点をあて、江戸時代の食事事情をご紹介します。









「祝言膳部次第」(部分) 寛永5(1628)年 紙本著色 1巻






   
蒲刈本陣と通信使行列の模型   三汁十五菜   朝鮮通信使船模型