江戸時代、朝鮮通信使の来日に際し、下蒲刈島が藩の接待所・玄関口として大歓迎をした記録が多く残されています。なかでも「安芸蒲刈御馳走一番」といわれたほどの歓待ぶりで、往時の記録をもとに全国から集めた食材を使っての豪華な膳を忠実に復元した展示は圧巻です。
この資料館は明治中頃に建てられた富山県砺波地方の代表的な商家造りである「有川邸」を移築したもので、石置き屋根に豪壮な井桁組みを持つ重厚な建物です。
このほか本陣とその付近を復元し、通信使の行列人形を配したジオラマ模型や、当時の通信使を再現した等身大の人形、さらに精密に再現された 1/ 10の朝鮮通信使船の模型や全国から集めた朝鮮通信使に関連した「土人形」「張子人形」、通信使行列図や船団図など、往時をしのぶ資料を多数展示し、興味深く見学することができます。
慶長12年(1607)に初来日した朝鮮通信使。朝鮮半島南の釜山を出発し、瀬戸内海を通り、大坂へと進みました。大坂から京都までは大名が参勤交代の時に使用する、川用の船である川御座船に乗り換え京都まで進みました。京都から江戸までは陸路を行列を組んで歩いて旅をつづけました。江戸時代を通じてこの下蒲刈島には11回立ち寄った歴史があります。本展では所蔵資料を中心に下蒲刈島に残る史跡や朝鮮通信使の旅の様子をご紹介します。
「朝鮮通信使行列図」(部分) 制作年不詳 紙本著色 巻子装
「朝鮮通信使船大坂河口之図屏風」江戸時代 紙本著色 6曲1隻
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蒲刈本陣と通信使行列の模型 | 三汁十五菜 | 朝鮮通信使船模型 |
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