江戸時代、朝鮮通信使の来日に際し、下蒲刈島が藩の接待所・玄関口として大歓迎をした記録が多く残されています。なかでも「安芸蒲刈御馳走一番」といわれたほどの歓待ぶりで、往時の記録をもとに全国から集めた食材を使っての豪華な膳を忠実に復元した展示は圧巻です。
 この資料館は明治中頃に建てられた富山県砺波地方の代表的な商家造りである「有川邸」を移築したもので、石置き屋根に豪壮な井桁組みを持つ重厚な建物です。
 このほか本陣とその付近を復元し、通信使の行列人形を配したジオラマ模型や、当時の通信使を再現した等身大の人形、さらに精密に再現された 1/ 10の朝鮮通信使船の模型や全国から集めた朝鮮通信使に関連した「土人形」「張子人形」、通信使行列図や船団図など、往時をしのぶ資料を多数展示し、興味深く見学することができます。





展示案内

「朝鮮通信使に見る江戸の旅」

 2024年7月3日(水)~ 9月9日(月)

 チラシ(おもてうら

 慶長12年(1607)から文化8年(1811)の間に12回来日した朝鮮通信使は、長い江戸までの旅の様子を日記形式で「使行録」という公式記録に残しています。朝鮮通信使の残した「使行録」は現代の私たちが、200~400年前の日本人の生活の様子を知ることのできる貴重な資料でもあります。下蒲刈島にも、第1次の使行から、第11次の使行までの朝鮮通信使が立ち寄っており、使行録から当時の広島の様子を知ることができます。
 本展では、朝鮮通信使の旅のなかから使行録に記録された各地の様子を紹介します。







「朝鮮通信使来朝図説」 延享5年 紙本著色


関連イベント

ギャラリートーク(学芸員が所蔵品展を案内します。)

日  時 | 7月14日(日)、8月25日(日) 13時30分~(1時間程度)






   
蒲刈本陣と通信使行列の模型   三汁十五菜   朝鮮通信使船模型